AUらぼ

オーストラリアを知り、移住・留学を成功させるためのブログ

豪ドル売りに賭けた日本人たちの華麗なる大逆転

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The Big Shortという映画を観たことがあるだろうか?

(邦題:マネー・ショート 華麗なる大逆転 オーストラリアでもNetflixで日本語字幕付きで観れる。)

2008年頃の世界金融危機を前もって予測し、空売りに賭けた人々の話である。

彼らが空売りを仕掛けた頃、金融市場は逆に盛況だったから、彼らは他人からバカにされ笑われていた。

果たして結果は? それは誰もが知るところである。

私には、空売りに賭けて最終的に勝利した彼らと、平均的な日本人の姿が重なって見えて仕方がない。

 

日本人の高すぎる金融リテラシー

「日本人は投資しない。だからダメなんだ」と言う人がいる(いた)。

「日本人は金融リテラシーが低いから投資しない」と彼らは言うのである。

事実、日本人は貯蓄性向が高い。

ポートフォリオは「円預金一本」というのが多い。

 

だがこの現象は、私には真逆に見えていた。

平均的な日本人は金融リテラシーが高いからこそ日本円キャッシュポジションを高く維持しているのだと。

①期待できない日本株式&不動産市場

②潜在的なデフレ圧力=円高圧力

③よって円預金一本のポートフォリオはそれなりに経済合理的

過去記事「日本人の高すぎる金融リテラシー」

 

ちなみに、金融リテラシー調査において、日本人は諸外国に比べてテストの点数が低い。

私はこの結果について、「日本円に投資した時点でそこそこ合理的な選択。それ以外の投資をやる必要がないんだから日本円投資以外の知識は少なくて当たり前」と解釈している。

 

専門家による警告

現在、金融市場では久方ぶりの暴落が進行中である。

世間では暴落と言って騒いでいるが、世界最高峰の知性たちは前々からそれを警告してくれていた。

 

シラーPER(CAPEレシオ)

ノーベル経済学賞受賞 ロバート・シラー教授提唱。シラーPERが25倍以上だと株価は割高。

アメリカでの過去の大暴落は株価指数のシラーPERが25倍以上という期間がある程度続いた後に起こっている。

リーマンショック 52か月

今回 67か月

 

今回はリーマンショック時を超えて割高状態が続いていた。(割高のマグマが溜まりに溜まっていた。)

 

バフェット指数

ウォーレン・バフェット提唱。株式市場の時価総額の、名目GDPに対する割合が100を超えると割高。

ITバブル 150

リーマンショック 110

今回 160

 

これらはアメリカ市場の話で、日本市場について私は知らないが、ほとんど同じはずだ。

平均的な日本人は金融リテラシーが高いから、当然これらのことを知っていて日本円キャッシュポジションを高めていたのだろう。

君子危うきに近寄らずだ。

 

豪ドル売りに賭けた日本人たちの華麗なる大逆転

最近、豪ドル/円 チャートを見ていてハッと気付いた。

そうか、これだったのか! 日本人たちが狙っていたものは!

 

私のようにオーストラリア在住で、豪ドル経済圏で生活している者から見ると、円預金一本の日本人たちは「円買い豪ドル売り」ポジションをレバレッジ1倍で持っているのとほぼ同義である。

以下に豪ドル/円のチャート(月足)を示す。

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アベノミクスは2012年12月から始まった。

その後、株式市場が活況の中、平均的な日本人たちは笑われようがバカにされようが頑なに円預金を固持した。

彼らが密かに実践していたこと――それは豪ドル売りだったのだ!

オーストラリアはインフレ傾向で緩和余地がある。まだゼロ金利ではないし、量的緩和は行ったことがない。緩和は物に対して通貨の価値を下げる措置である。日本は真逆で潜在的にデフレ圧力に晒されている。アベノミクス開始から数年はインフレ期待で円安株高が起こったものの今や緩和余地はもう残っていない――つまり円高・豪ドル安は必然…。

 

恐るべき日本人たち。ウィルス騒動が収束するころ、彼らはおもむろに動き出すだろう。

あれも安い、これも安いと言ってオーストラリアの資産を買い漁るに違いない。

とは言え目立つのを嫌う彼らのことだから、旅行や留学や移住の初期費用に豪ドルを「買い戻す」というささやかなものだろうが。