AUらぼ

オーストラリアを知り、移住・留学を成功させるためのブログ

日本人はリスクが大好き

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リーマンショックの直後。確定拠出年金の運用成績を同僚と比較…

 

私: 外国株中心のポートフォリオで壊滅

同僚A: 日本株中心のポートフォリオで撃沈

同僚B: 日本円定期預金一択で独り勝ち

 

世界金融危機で過度に進んだ円高により、同僚Bは世界資産家ランキングで上位に躍り出た!

 

…というのは冗談である。

そのときは会社の確定拠出年金が始まったばかりで大した金額が投入されておらず、影響は小さかった。

 

「日本人は貯蓄を好み、リスクを伴う投資を嫌う。だからダメなんだ!」

と言う人がいる。

私はこれに強烈な違和感を覚える。

というのも、それに矛盾する事実が幾つもあるからだ。

 

日本にはキャッシュが有り余る

「日本人は貯蓄を好む」と言われているように、実際日本には預貯金が積みあがっている。

個人(家計部門)が持つ金融資産の残高は19年3月末時点で、1835兆円…主な内訳は、「現金・預金」が977兆円

読売新聞より

 

また、以下の表は預貯金を含む金融資産の順位を示している。

Wikipediaより    注:ユーロ換算

 

f:id:aulab:20190728201654j:plain

 

日本は6位でオーストラリアは13位だ。

 

過去記事でオーストラリア人は世界一リッチだと言ったじゃないか!」

と言われるかもしれない。

 

不動産を含めた資産でオーストラリアが世界指折りであることは確かだ。

リーマンショック後の世界的金融緩和で投資マネーが流れ込み、持ち家や投資物件の資産価値が高騰したからだ。

 

しかし預貯金などの金融資産においては必ずしも世界有数ではない。

それを揶揄してオーストラリアでは

Asset rich but Cash poor とか

Equity rich but Cashflow poor

などと自虐している。

 

私がその過去記事において、オーストラリア人の消費行動について

高い車に乗り、高級レストランで優雅に食事する人々の姿が目を引いた。

私はこれを、「不動産の含み益のみを根拠にした消費行動(散財)」と受け取った。

 

と解釈していたのは、そういった理由からだ。

 

日本人がリスクを好む事実① 日本人のFX取引高は世界一

FINANCE MAGNATESというサイトによると、日本のFXブローカー(FX会社)は取引高において世界シェアの35~50%程度を占め、世界一とのことである。

つまり日本の個人投資家は世界一FXが好きということだ。

 

リーマンショック以前から日本は超低金利だったから、その当時は金利が高かった豪ドルとの相性抜群だった。(今は豪ドルも低金利時代を迎えたが。)

そういった背景が日本でFXが普及した理由の一つだろう。

 

日本人がリスクを好む事実② 日本人の暗号通貨の保有率は世界一

Coincheckのサイトによると、ビッドコイン等のCryptocurrencyの保有率は日本が世界一とのことである。

(ある時期、世界一位の座が中国から日本に変わった。)

日本人の暗号通貨好きは、FX会社がそれを扱っているからという理由もあるらしい。

 

 

FXも暗号通貨も、投機性が非常に高い。

つまりリスクが高い。

「日本人は貯蓄を好み、リスクを伴う投資を嫌う」のではなかったのか?

 

「日本人は金融リテラシーが低いからギャンブル的なものに投機する」という説明を聞いたことがある。

 

まさか!

金融リテラシーが低かったら、それらをやってみようとさえ思わないはずだ。

 

オーストラリア人がハイリスクな投機をやらなくていい理由

オーストラリアにおける「過去20年の資産クラス別 年平均リターン」の図を以下に示す。

2018 Russell Investments/ASX Long Term Investing Reportより

 

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一番左がオーストラリア株で、二番目が不動産(住宅)だ。

過去の記事で繰り返してきた通り、何も考えず不動産を所有しているだけで、年平均10.2%のリターンが得られたのだ!

 

そして株も年平均8.8%のリターンだ。

 

(オーストラリア株はリーマンショック後に暴落した。All Ordinariesという指数はつい最近になってようやくリーマンショック前の最高値を超えたことになっているが、配当を加えると実はもっとパフォーマンスは良い。)

 

日本株の長期のリターンはこれより全然低いし、外国株に比べていつも出遅れる。

つまり投資家からあまり期待されていない。

 

一方、オーストラリアでは株や不動産という馴染み深いものに投資しているだけで潤う。

だからオーストラリア人は、FXや暗号通貨というハイリスクなものに手を出す必要がないのだ。

 

「日本人はリスクが大好き」な理由

以上をまとめるとこうなる。

 

  1. 日本には預貯金が積み上がっている。
  2. というのも、日本株は不安定で不動産は一部を除いて下落傾向だから。
  3. 将来、生産年齢人口が減少すると分かっているだからそれらに期待できないのは当たり前。
  4. すると相対的にFXや暗号通貨の魅力が増す。
  5. 他にマネーの行き場がないから、一部の預貯金はFXや暗号通貨に向かう。
  6. 結果、FXや暗号通貨の取引量が世界一になる。

 

日本人だって、身近な株や不動産が順調に伸びている状況であれば喜んでそれらに投資するだろう。

 

FXや暗号通貨のように投機的でリスクの高いものを選好する事実は、「八方塞がりな投資環境において、日本人がどうにかそれを打破しようと試行錯誤している姿」を示唆しているのである。